巨匠ピカソ。 ― 2008年11月04日
催されている。
マイミクさんと妻のおかげでこの両方を見る機会に恵まれた。
やはり20世紀を代表する芸術家といえば、ピカソになるのかもしれない。
多少人は多かったものの、圧倒され続け、時に面白くなり、時に哀しくなり、
時に沈み、時に自分の中のエネルギーを感じる。
彼が長生きをしたことも関係あるとは思うが、
まるで、数人の画家が行うことを一人で行ったかのような、
恐ろしい人だ。
ただ、私も妻もけっこう駆け足で見たので
(今回、妻は特にそうだったと思う)
十分に絵と対面していたとは言えない。
もともと私たちは、一つの美術館へ行くと時間がかかるタイプなので、
ぜひ、少なくとも国立新美術館のほう、
「巨匠ピカソ 愛と創造の奇跡」には、もう一度行きたい。
何せ150点以上の作品があるのだ……。
非常に多作だったため、彼の展覧会は比較的よく開催されており、
今までピカソ展に2回くらい行ったと覚えているが、
これほどまとまって見ることができるのは珍しのではなかろうか。
「新古典主義」と呼ばれる時代の作品に惹かれたのは、
自分でも意外だった。
その後、3人で居酒屋へ行って、余り飲めない私も少し飲ませていただいた。
私はよく食べるほうだが、マイミクさんも劣らずよく食べる方で
(量、スピードともにひょっとして私以上?うーん、負けたかも!)
よく食べるのは見ていて気持ちがいいもの。
そんなこんなで大いに楽しみました。(=^ ^=)
ありがとうございます♪
ハンマースホイ。 ― 2008年11月01日
ちょっと趣を変えて(?)絵画の話でも……。
いま上野の国立西洋美術館で、W.ハンマースホイという画家の展示をしている。
http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
「静かなる詩情」というサブタイトルが付けられている。
そのタイトルは、的を射たものだと思う。
ただ、もちろん絵画はその絵画の一回性でのみ語られるものである。
ハンマースホイを気に入った妻は2度目の来訪だった。
私がふと感じたのは、アンビエントミュージックである。
この静けさはどこかで感じたことがあると思ったら、
それはある種の音楽に似ているのだ。
無機的な印象とともに、不要な装飾は一切ない表象の存在、
それでいて何かあたたかみがある。
こうした絵は、いくら画家が違うと主張しても、
それを見るものにとっては、決して<思い付き>に
慣れてしまったような「手」からは生みだされない。
それは、私が好きな音楽と同じだ。
だから、アンビエントと呼ばれる音楽も同時に呼び起こされたのだろう。
(こうしたジャンルの「くくり」は、ときに説明には便利でもある。)
不可思議な空間、おそらくは画家のみの空間と人物
──その人物が特に印象的なのは、後ろ姿であることだ。
奇妙で単純な(簡単という意味ではない)配置は、
一旦は不安定なところへ自分を追いやるが、
実は、そここそが安定かもしれないとも思う。
画家の妻であるイーダがよく描かれている。
正面から人を描いた絵は少ないのだが、
虚ろな目をしたイーダの絵があって、
それを見たリルケが、ハンマースホイに会いに行った
というエピソードが紹介されていた。
虚ろな、というのはその「解説」に書いてあった言葉で、
その絵は先ずは「虚ろ」と言っても構わないものだったけれども、
これを虚ろと言ってしまってはいけないような絵でもあった。
確かに突き放しているようでありながらも、
包んでいるような絵でもあったからだ。つまり、やさしい。
デンマークと言えば、キルケゴールのいた国でもある。
北欧の気候も彼らに影響を与えていたに違いない。
無音より静かな音、という逆説的な比喩が私はとても好きである。
私が好きな音楽(アンビエントとしてくくると、本当はもったいない)
の比喩としていい言葉だと思う。
そして、この比喩は、ハンマースホイの絵にも言っていいと思った。
ベロッティ先生。 ― 2008年11月01日
これも先日。
教会で「レクチャーコンサート」という名目で、
世界的なオルガン奏者、
エドアルド・ベロッティさんを迎えての演奏会があった。
その名の通り、最初に演奏曲目についてベロッティ先生から解説があり、
その後、演奏がなされるという形式だった。
この演奏会には教会の聖歌隊も参加していた。
実は、その聖歌隊の中に私の妻も在籍しているのだ。
ベロッティさんと共演!である。
よい共演だった。実際、他の方からも好意的な感想を聞いた。
ベロッティさんのサイドから共演の依頼があったと聞いていた。
より聖歌隊にはプレッシャーのかかる話である。成功、おめでとう!!
(「成功」という言葉は余り好きな言葉でないが、ここではいいだろう。)
どの演奏にも聞き惚れて、楽しんでいた私だったけれど、
最後に演奏された、J. S. バッハのフーガ(BWV582/2)には、
驚きを伴った感動を覚えた。
その一つ前の曲が、J. クーナウという作曲家のもので、
それは「ギデオン」(の活躍)をテーマにした曲で、
とても面白いものだったのだが、
次のバッハの曲になって、あっと声をあげてしまった。
明らかに何かが違うと感じた。クーナウの曲もいいのだが、
次のバッハで、恥ずかしながら少し涙を流してしまった。
こういうとき、音楽の深みに、
私のような者でもほんの少しは触れることができたのかな、と思う。
いや、先日の高野さんの演奏でも泣いたけれど、
そのときも音楽の何かに触れ得たのかなと思っている。
音楽とは何とも素晴らしい! 素晴らしい!
最後になりましたが、
遠くから来て下さった方、ありがとうございました。m(_ _)m (^ ^)
もみじ市2008♪ ― 2008年11月01日

先日のこと、多摩川の河川敷で「もみじ市」という催しがあった。
☆公式のブログがあります。
http://tegamisha.cocolog-nifty.com/momiji2008/
概要については、このブログをご覧いただくのが一番だだろう。
写真も載っているので、雰囲気が伝わることと思う。
「和泉多摩川」の駅が最寄りで、最近、小田急線に縁があるなぁ。
僕も写真を幾つか撮っているので、アップしたいと思ったけれど、
フィルムカメラだから、スキャンをしないといけない。(>_<)
それに、今回撮った写真の中には、高野寛さん、コトリンゴさんも
写させていただいたので、実は、大事にしまっておきたいという気持ちが強い。
ああ、写真を見ると、また胸が温かくなる。(ぽっ…)
この日、もともとは仕事があって行けないはずだったのだが、
妻の力添えが大きく(ありがとー!)行くことができるようになった。
僕が事前に知っていたのは、コトリンゴさんがライブをするということくらい。
が、それだけで十分に行きたかった。
しかし仕事と重なるので、諦めていたところ、仕事に行かなくてよくなったと同時に、
高野さんの出演が、いつの間にか決まっていたのを知った。
(いつも高野くんと呼んでいるけれど、失礼に思うため「さん」で書こう!)
風邪が治りかけといった状態だったけれど、このお二方がライブで出演されるのだ!
じっとしてはいられない気分♪
僕の所用のため、会場に着いたのは高野さんの演奏の途中になってしまい、
コトリンゴさんのライブには間に合わなかった。
それでも、非常に近くで高野さんの曲を聴くことができた。(^ ^)
アンコールを2曲も歌って下さって、深々とお辞儀をして楽屋へ戻る高野さん。
と、そこで気づいたのだが、楽屋はテントでできている。
一つはキャンプで使うような三角形のテント、
一つは屋根だけ張る、運動会などでよく見るようなテント。
そしてそして、なんと! お二人とも、そこにおられるではないか!!
1時間くらいか、それ以上か、よく覚えていないけれど、
僕と妻と二人で、ずっと同じ場所にいた。
高野さんとコトリンゴさんのお二人が帰るまで。
なんという幸福な時間だったろう!
今でも思い出すと、胸がキュンとするのだ。
高野さんのご家族もいらして、お子さんの愛らしいこと!
ふだんは見ることのできない楽屋を、覗かせてもらった気分。
でも、できるだけ、お二人の邪魔をしないようにと思いつつ。
持っていったレジャーシートに座って──そのレジャーシートは、
8月の「World Happiness」という野外フェスでいただいたもの──
あの、いまの時代に特別に素晴らしい音楽を作って下さるお二人と同じ場に、
妻と並んで多摩川の横にいると思うと、嬉しくて嬉しくて……。
幸福はやはり実際に体験できるのでした。(^ ^)
・追記♪
写真を1枚アップいたしました。(11/2)
アラブ古典音楽の魅力♪ ― 2008年10月17日
私は「JASRAC」のメルマガを取っているようだ。
表記のタイトルは、そのJASRACの「文化事業」の一環で、
「ワールドミュージック」のシリーズの第2回目のものである。
JASRACは、色々と問題もある組織だが、
ややこしい話はさておき、
今回の「アラブ音楽」で、非常に楽しい時間をいただいた。
詳細のURL↓
http://www.jasrac.or.jp/culture/index.html
このワールドミュージックのシリーズは、第1回目の
「ブラジル」も行きたかったのだが、何かの事情で行けなかった。
(この頃、ものをよく忘れるなぁ。。。)
今まで私は、アラブ系の音楽を漠然と聴いていた。
今回の催しは、前半にレクチャーがあり後半がコンサートになっている。
このレクチャーはアラブ音楽の本当に基礎の基礎、といったものだと思うが、
恥ずかしながら、アラブ音楽理論的な部分(楽理)については、
ほぼ全く知らなかった。。。(汗)
例えば、今まで、
拍子をどう取ったらいいのか分からないような曲に遭遇したことがあったが、
実際に楽器を使って、9拍子や13拍子といった、拍の取り方を教えていただけた。
いわゆる「変拍子」かなぁ、という感じで聴いていたものが、
実は、伝統的な拍の取り方で、その取り方は何種類もあると知り、
実際に演奏をつけて下さるので、大いに喜んだ次第である。
10拍子なら、3+4+3の拍と一応分解することができ、
第一アクセントと第二アクセントの置く場所があったりする。
こういう基礎の基礎を知っているだけで、
知らない場合とでは、後半のライブの楽しさは全く違ったものになっただろう。
旋律(「マカーム」というらしい)にしても、
構成要素の「ジンス」(微分音が含まれる)が積み重なってできており、
その精密な組み合わせによって、複雑な旋律を奏でることができる。
例えば、「ナハワンド」と呼ばれるマカームは西洋音階の「ハ短調」に当たる。
特徴的で興味深く楽しいのは、「中立音程」と呼ばれる音階があり、
これは現代西洋音楽の平均率とは違ったピッチである。
面白い喩え、というより、実際にそうとも呼ばれているものとして、
アラブ音楽には「中3度」と呼ばれるマカームの取り方があるそうだ。
いわゆる「長3度」とか「短3度」という調性の取り方があるが、
中立音を中に取るから、そう呼ばれることもあるようだ。
西洋の作曲家がアラブ音階を取り入れるときに、
よく「ヒジャーズ」という「ジンス」で作るそうだが、
これは、西洋音階に置き換えやすく、
また、実際にアラブ音楽でも好んで用いられるらしいからのようだ。
ただ、実際には、微妙にピッチは違うらしい。
残念ながら、私にはそこまで聴き取る能力はない。。。orz
こうしたことを楽器の演奏を交えて説明して下さるので、
とても分かりやすかった。本当に基礎(の基礎)である。
しかし、ほんのちょっと「知る」だけでアラブ音楽の楽しみが、
ぐん!と広がる。
こんなに嬉しいことはないではないか!
私が「声」や「歌」を意識して音楽を聴く、その非常に大きなきっかけになった一つは、
実は「コーラン(クルアーン)」である。
学生の頃、コーランのCDを借りてきて、一時期、はまって聴いていた。
また、きき返してみたい。
演奏が精緻で見事なアンサンブルだった。
(私の感じ取れる範囲で……。(^^;)
この演奏と解説をして下さったのは、
「Le Club Bachraf」の方々で、
http://arab-music.com/le_club_bachraf.html
に紹介がある。
(すごい人達!(@_@))
次回の「ワールドミュージック」のシリーズは、「北欧の伝統音楽」だそうで、
この日感動した私は、さっそく会場で申込用紙に記入してしまった。。。(汗)
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